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Q-BORDER / Case of King*

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CD Review / BOΦWY / BOΦWY


『BOΦWY』

『MORAL』の時にも書いたけど、一番最初に借りてきたアルバムです。『MORAL+3』を聞いた後に聞いて、一曲目の『DREAMIN'』で「へえ?」と思った記憶が。このアルバムも、アルバム内の光と影の甚だしい一枚だなあと思いますね。まあ、影の部分はたいてい氷室さん担当なんですけれど(笑)。

それと、ほんとどうでも良いことなんですが、このアルバムのジャケットの目のショットあるじゃないですか。アレ見たら、氷室さんのが一番けっこう「ナシ」ですよね(笑)? 明かに右目と左目で化粧ズレてるよ・・・。今でこそ、四人ともわかってて、どれが誰だかなんて解りきってますけど、借りてきた当時は「???」でした。「これって格好良いの?」と。でも氷室さんだけ二重なんですね。他はみんな一重。どう考えても、氷室さんの左目のメイクは崩れてると思います。

まあ、それは良いとして、このアルバムの印象としてはですね、演奏がクリアになった、と。そのまんまじゃん、このアルバムからレコーディングが変わったんだよ、とか言われるとまあ、それもそうで、実際はそうなんでしょうけど、イメージの中で「クリア=透明」的なトコロがあって。『MORAL』での混沌さが『INSTANT LOVE』では白くなった、という風にあたしの中の印象を『INSTANT LOVE』のレビューで述べたんですけど、その「白」ていうのは、決して透明じゃないんですよね。「白」て、濁った色じゃないですか。それがこのアルバムでは、演奏がもっとリアルな骨組みになってきたというか、立体感が出て、その分向こう側の見通しは良くなったような、そんな印象です。
そして、BOΦWYの音楽に「黒色」が足された。白は濁ってるけど、黒は透明にもなるんだよねえ。シンプルな音づくりになっただけなのかもしれないけど、あたしはそういうのは本当にてんで疎いので良くわかんなくて、ただ印象として「剥き出しの鉄筋」みたいな力強さみたいなのは感じます。そしてその力強く黒い印象は、後に氷室さんソロの方でも強く感じる所なので、このアルバムでは、こっそりある種のヒムロキョウスケの確立という側面もあったのではないかと私は個人的に思います。

あと、地味にこのアルバムは歌詞に「松井五郎」登場ですよね。松井五郎の影響があるのかないのか、それは知るよしもないことですが、このアルバム以降、氷室さんの歌詞の傾向が顕著に変わります。『INSTANT LOVE』までは、本当に伝えようとする事が直接的すぎて、いくらラブソング歌っていてもそれは、どっか全部一様なんですよね(笑)。正直、『INSTANT LOVE』の中のラブソングて、全部同じような歌詞の内容ですよね。曲調とか、言葉の並べ替え方が違うだけで、使う言葉の選び方にしても、その内容にしても、恋愛観の視点の据え方も、だいたいどれも同じ。
そしてそれは『MORAL』にしたって、『INSTANT LOVE』でのラブソングという形が、もっと社会や周囲に対する反感という形に変わったにすぎなくて、言葉の選び方や並べ方、歌詞にする内容と言えば大差はない。
歌詞の種類と言えば、『INSTANT LOVE』タイプの疲れたラブソング、『MORAL』タイプの核心ついたアンチソング、それに、だいたいその頃の歌だ、という未発表の曲なんかにいくつかある、『たった一度のLOVE SONG』系の、「オマエと居れば最高サ」タイプの明るいヤンキーラブソング。そのだいたい3パターンがだいたい王道ぽい。そのパターンをぐるぐる、たまに混ぜてみたりとかそういう歌詞がほとんどで、ほとんどが「ベタ書き」ぽくて、そこにある世界観て、まんま私生活なんじゃないかみたいな、リアルさとぶしつけさと、日常的すぎる洗練されてない印象を受ける。

それは決して悪い事ではないけれど、ただこのアルバム以降、氷室さんの歌詞はもっと、言葉の選び方にしても並べ方にしても、世界観の見せ方がもっと洗練されるなあ、と。まあ、基本的に手順を踏んで世界観の全体像を見せてはくれない、というトコロは変わってないわけなんですが、そこは前にも述べたように氷室さんの歌詞の良い面でもありますから。
そこで、氷室さんの歌詞が布袋さんの音楽のように良い意味で親切になったら、BOΦWYってもっとずっと解りやすい位置に下がってくるかな、と。世間一般の人が、BOΦWYの中で歌詞をどの程度の位置で見ているかとか、BOΦWYのメンバー自身も歌詞にどれ程の重きを置いていたのか知りませんが。少なくともあたしにとっては、歌詞ってすごく「歌」を聞く上では重要なファクターなんです。
元々、言葉に対して執着があるというか、多分、単純に好きなんでしょうけれど、やっぱ言葉が大切にされてたり、そこに世界観を含んだ言葉とか、そういうのが本当に好きなんですよ。だから、単純な世界観で言えば、『INSTANT LOVE』までの平面図的な歌詞も悪くはないですし、BOΦWYの世界観を理解する為の手引き的な感覚で受け止める分には必要なんだとは思います。

だけど自分の趣味的な部分で言えば、この『BOΦWY』以降の立体的な歌詞の書き方の方が好きですよ、普通に。一曲一曲がもっと独立した、しっかりとした世界観を持つようになる。もちろん、その根底に流れるモノはやっぱり変わってはいないだろうし、結局は同じパターンであったり、似たような世界観のモノは多いけれど、もっとずっと一曲の中に始まりと終わりが作られるようになってる。それは明確な例えば氷室さんが考える世界観の中の、世界の端っこという始まりと終わりではなくて、楽曲が始まって終わるまでの、一時的な世界観。
相変わらず歌詞だけ見ても何言ってんのかさっぱりだったり、よくわかんないモノ、バカっぽいもの、それはありますけど、同じ内容を伝えるにしても、『INSTANT LOVE』までとはその表現法が格段に違う。
全然、親切じゃなくて「ホントに伝える気ある?」て思う事もしばしばだけど、きちんと「形作ってアプローチしよう」というスタイルは見受けられるかなあと。
その辺がこのアルバムから受ける印象です。

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『DREAMIN'』

BOΦWYを聞き始めた始めの頃、かなり自分内で上位に位置してた曲です。今は、と言うと「聞き飽きた」というのが正直な感想ですが(笑)。

「夢を見てる奴ら、みんなに送ります」という氷室さんのMCが超有名なこの曲。とてもBOΦWYらしい歌だなあ、と思います。夢を見ている奴らに送る歌は「自分が夢を見ているという事(for me)」。歌詞の中では一言も、「だから夢を見ろよ」とも「こんな風に生きろよ」とも言ってない。ただ「オレはそんなにバカじゃない」「I'm only Drenmin'」とだけ。
『MORAL』の頃に鬱々としてた歌詞の内容が、こんな風に昇華されたと思うとすごくそこに一皮剥けた感を感じずにはいられない。書いたのは布袋さんと松井五郎なんですけどね(笑)。
あの頃はもっと、無鉄砲に誰彼かまわず突っかかっていって、拳振り上げてケンカおっぱじめよう的な、そういう危うさがどの曲にもあった。だけどこの曲を聴いて、そんな危うさやハラハラ感は全然なくて、むしろ、自分の隣で拳上げてワイワイやってた兄ちゃんたちが、気付いたら遠くへ行って大人になってしまったような、そんな印象すら受ける。「オレはただ夢を見てるだけ」と、そう達観して言えるのは簡単な事じゃなくて、そんな風に自分達を言えるのって、自分たちをある程度客観視できたからだろうし、そういう機会があったという事なんじゃないかなあ、と。

この曲がアルバムの一番めに来ている事って、ある意味『MORAL』の頃に、ライブ始まって一曲めに『MASS AGE』で「お前ら乗ろうと乗るまいと、オレには全然関係ねェ」て歌うのとなんか似てるような気がします。肝心なのは自分なんだよね。良くも悪くも(笑)。BOΦWYってけっこうそういうバンドだよね。

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『黒のラプソディ』

あー、あたしこの曲、地味に好きなんだよねえ(笑)。
なんかつい聞いちゃって、謀らずも外せない曲。

言ってみれば『DREAMIN'』とかってすごくBOΦWYの王道ソングだったりして、いかにもBOΦWYっぽい的な言葉が当てはまる曲じゃないですか。でもこの曲ってけっこうそういうBOΦWYの王道ラインからはちょっと逸れてる、とあたしは思うんですが、こういう曲がホント好き。
どこが外れてるんだ、て、つまりあんまりライブで歌われないて事です。それも後半になるに従って、皆無に等しくなってる曲(笑)。少なくとも公式の形としてライブでの演奏が残ってない曲ですよね。そういう曲て氷室さん作曲が多いんですけど(笑)。この曲もそうですよね?

初めてこの曲を聴いた時、英語の部分がすごい格好良くて、歌詞カード見て何て言ってるのか確かめたりしてた。「Every Body Know but We don't Know」ていう部分がすごい好きでした。直後の絶叫とか(笑)。お色気ですよね、お色気。
自分でね、口ずさもうと思っても舌が回らなくて(笑)。その時初めて「氷室さんて歌上手いのねえ」とか思いました。あはは。そこの英語部分だけでなくて、この曲をね、カラオケで歌おうと思ったら(入ってたかも微妙に忘れたけど)、正直言ってあたし、あんな風には絶対に歌えない自信あるもん。多分、この曲を氷室さん級に歌える人がいたら、あたし文句なしに「歌、上手いんだねえ!」て言っちゃうと思う。それくらい、あたしには難しい歌に思えた。実際、難しいんだと思うけど・・・(笑)。

この歌詞は氷室さんと松井五郎ですね。一曲目が「布袋さん×松井五郎の布袋さんソング」で、二曲目は「氷室さん×松井五郎の氷室さんソング」。『DREAMIN'』と『黒のラプソディ』という比較をすれば、その楽曲の扱いは後に天と地くらいの差があるように思えます(笑)。でもあたしとしては、『DREAMIN'』は聞き飽きたけど『黒のラプソディ』は聞き飽きない。なんかね、何回聞いても「まだ聞き足りない感」が残るんです。で、つい何回も聞いてしまう。
前のめりになって戻ってくるような、スリリングな音の作り方とかもかなり好きなんですよ。まだ、なんか自分が見つけてない何かがあるんじゃないかって、わかんないから「もう一回聞こう」って、そういう気になっちゃう。

この歌詞には、氷室さんが好みそうな単語がけっこういっぱい入ってて、「オンナ」「オトコ」「黒(色)」「ラプソディ」「Dream」「指」「Darling」「love」「Know」「シーツの波」・・・。この辺て、けっこう氷室さん使い回しワードですよね? それでも歌詞がけっこうしっかりした世界観を持って自立してる辺りは、松井五郎の力が大きかったのかなあ、とか、そういう気もします。きちんと男女の歌を客観したモノとして成立してますもん。「中指だけすべりこませ」とか、ほんと氷室さん好きそうな歌詞だと思うなあ。

んで、ここでは関係ないですけどソロの『RAPSODY IN RED』『RAPSODY IN BLUE』、両方とも大好きなんですよねあたし(笑)。氷室さんソングの「ラプソディ」はけっこう自分的ツボみたいです。

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『BABY ACTION』

文句なしにライブの方が良い歌だと思う。

あたしは基本的にBOΦWYライブには行けない世代の子だったし、あたしが最高潮に好きだった高校生の頃はまだインターネットがこんなに普及してなくて、だからBOΦWY聞くにはアルバム聞くしかほとんどなかった。時折、友達のお姉ちゃんからとか、そういう頼りないツテから、デモテープをダビングさせてもらったりとか、そういうレベル。
もっとも、「BOΦWYビデオ」とか「Case Of BOΦWY」とか、その手のライブビデオは手に入ったし(ダビングで音も映像も良くないけど)、「Last Gigs」もなんとか手に入れて観た(笑)。そこではBOΦWYのライブの様子がきちっと見れたのね。だけどやっぱり日常で「BOΦWY」と接する、と言えば、ビデオよりもCDの方がダンゼン多いわけですよ。通学途中とか聞きまくってたし。だから、基本的にBOΦWYのライブも好きなんだけど、アルバムの方の曲にもすごく定着があるんですよ。

で、その時から思ってたんだけど、この曲てライブだとすごく前へ前へ行くのに、アルバムだときちんとしたテンポで一定のリズム刻んでる。最後の「オマエに今も Feel in love tonight」の繰り返しのトコロも、アルバムだと予定通りにサビ前からの演奏なり歌なりを引き継いでる。だけどライブだと、多分テンポ自体はそんなに変わらないと思うんだけど、(多少は速くなって走り気味になってたとは思うけど)もっと「オマエに今も Feel in love tonight」に来る前で前のめりになってて、ずっとずっと走ってるんだけど、サビに来てピタっと止まるの急に。それでね、なんか氷室さんがソコで、「バン」て照準合わせて客席に向かって指鉄砲打つような、そういう「静」が来る。
古いバージョンのこの曲聞くと、この「オマエに今も Feel in love tonight」部分のサビはなくて、ずっと前半の調子だったと思うんだけど、まあ、あたしはずっとこっちを聞き慣れてるので落ち着くのは落ち着きます。

だけど多分、あたしはこの曲が一番、アルバムよりライブの方がダンゼン良いと思う曲ですね。アルバム聞くと最初の「もうイヤサ」のサビまでが「物足りない」て思うんです。サビに一回来ると、後はけっこうテンポ良く聞けたりするんですけど。「タマラネェぜ タマラネェぜ」の後の「OH YEAH」がすごい好き(笑)。ライブでは最後の「Fell in love today so pass」の後に「pass pass pass!」とシャウトするやつがとても好きです。

ちなみにラストの「オマエに〜」以降て、カラオケで歌うとすごい繰り返しで面白くないの。BOΦWYで氷室さんが歌ってたらあんなにもドラマチックなのに、繰り返しだった事とか気にならないのに、自分が歌ってみるとわかるの、ただの繰り返しだった、って(笑)。やっぱ氷室さんはスゴイと思う、欲目まるだしな今日この頃。

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『唇にジェラシー』

このアルバムの中で、黒いイメージの曲はたいてい氷室さんが作曲してる。『黒のラプソディー』『唇にジェラシー』『CHU-RU-LU』『ハイウェイに乗る前に』。唯一、『CLOUDY HEART』は黒くはない。むしろ朝焼けの青みがかった空のような、そんな青いヴェールがかった色。だけど他の曲はどれも、黒の太い線で丁寧に輪郭どりしたような、だけど輪郭しかない、そんな印象の曲ばっかり。アルバムの構成としては、そこに布袋さんの曲が彩りとして加えられて、ピンクや緑、シルバー、そして布袋さんの黒が取り入れられて、それでバランスが取れてるように思う。

この曲は氷室さんの中の「歌謡」ちっくなメロディというか、すごく根底にあるすっごい古い記憶を辿ったみたいな、そういう勝手なイメージがある。正直、すっごい「歌謡曲」ぽい。すごい後ろにひっぱる曲。だけどあたし、なんかこの曲が好きみたいで(笑)。そういうの多いんだけど、なんかね、ストン、と好きな曲なわけじゃないのに気付いたら繰り返し聞いてる。実はこのアルバムの中である意味あたしの中ですごく印象に残るのは、『唇にジェラシー』と『CHU-RU-LU』だったりして(笑)。あはは。

別にね、大好きってわけじゃないの。もっと好きな曲いっぱいあるし、客観的に考えたらその二曲よりも『DREAMIN'』とか『ホンキー・トンキ・クレイジー』とか、『ハイウェイに乗る前に』、『CLOUDY HEART』とかの方が、よっぽど良い曲だと思うんだよね(笑)。
自分の中でどの曲が外せますか? とかやったら、多分あたしその二曲って最初に外すと思うのね(笑)。だけどね、『BOΦWY』のアルバムって何入ってたっけ? と思い出すとき、あたしは最初に『唇にジェラシー』を思い出すのです。で、連鎖反応的に『CHU-RU-LU』も思い出す。自分でも不思議なんだけど。

歌詞で言えば、この曲の世界観てほんとカッチリしてるなあと。別れ際の男の視点というのも動かないし。

「冷めたKISSはスリリングに」
「爪たてちゃ ちょっとイタイゼやめてくれ」
「ちぎれたネックレス 悪びれてる余裕もない」
「笑いながら”サヨナラ”なんて言えるのか」

という歌詞の部分がかなり好きでして。なんか、すっごい「強がってるけど本当は寂しい」感じじゃないですか! そんでまた微妙なんですけど、なんかこの相手の女性ってこの歌詞の中ではあんまり出てこないんですが、相手の女の人もこの歌詞の「俺」の事キライじゃないと思うんですよ(勝手に力説)。確かにもう、最初の頃みたいな情熱的な愛や甘いやりとりはなくなってて、お互いにどこか冷めてしまって温もりだけを求めていて、こんなのお互いに「もうやめにしよう」ってずっと思ってる。もしかしたら、どちらかにはすでに別な恋人だっているのかもしれない。
だけど、お互いが思ったよりずっとお互いの深い部分まで入り込んでいて、もう愛でも恋でもないけど自分の一部になっちゃってるようなそんな女性。そういう相手との別れの時、ほんの一瞬背中を向け合ってた二人がふいに目があった瞬間のような、安心させようと笑い合うんだけどそれは明かな終わりの時で、最後の気怠い時間がただ終わるのを待ってる。そんな歌詞のイメージがあたしの中にはモワモワと浮かんでまして。
大人の恋愛て感じ! なんて高校生の時は思っていたもんでした。その妙な不健全さとかもね。今思えば、一昔前の恋愛模様て感じはなきにしもあらずですけど、それはまあ世代観の問題なので大した事ではないと思います。

それでも、バスタオル一枚の髪の長い赤いルージュの女性(という像が古いのだ)に、「濡れたタバコ」を「くわえさせられる」上半身裸の氷室さんを想像すると、ムダに色っぽくてノックダウン、とうい感じです。古かろうが何かろうが、そんなお色気は時代観など無視ですよ無視!

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『ホンキー・トンキ・クレイジー』

普通に好き。聞いてて気持ち良いもん。意外と飽きないし。
BOΦWYのラブソング、と言われたらあたしはこの曲か『BEAT SWEET』を思い出します。

あたしは、だいたいこの辺の時期あたりの前くらいまでの、BOΦWYの楽曲としては未発表となってる(のに)有名ないくつかの曲で、すごい好きなのが『Midnight Date』というのと『アトミックキャデラック』というのがあって、まあ、曲の感じとしては『たった一度のLOVE SONG』みたいな感じなんですが、他のいくつかの曲もすごい好きなんですね。なんでCD化されなかったんだろうって(アルバムの雰囲気にはまらなかったかららしいけど)、なんか、それらの未発表曲だけ集めてもいいよ、というくらい好きで。
だけどなんか『ホンキー・トンキ・クレイジー』を聞くと、すごく勝手になんだけど「この曲があるからいいのかな」と思えるんですよ。曲としてのクオリティてあるじゃないですか。同じような傾倒の曲がいくつか出そろった時、その中で一番クオリティの良いやつがあれば、他のを残す必要がない時もある。そういうクオリティの良さをこの曲には感じるんです。
その他の曲は、それはそれで一曲一曲がとても良かったりして、正直『ホンキー・トンキ・クレイジー』より好きだったりもしますよ? だけど、それでもコッチの方がひっくるめてクオリティは上だと思うんです。それくらい、自分の中ではBOΦWYの真ん中的にある曲ですね。

歌詞の内容もすごく好き。男の人にこんな風に思ってもらえたら、『MY HONEY』じゃないけど女冥利に尽きると(笑)。まあ、一時的なモンなんでしょうけど!
氷室さんの(この曲は作詞・作曲BOΦWYですけど)書く恋愛って、「もうオマエと居るだけで最高! オマエの全ては俺にまかせとけヨ」な恋か、「冷めたレモンティー飲み尽くすだけなの?」みたいな疲れた恋の終わりか、両極端だなあ、と(笑)。

ライブでは布袋さんの「KISS ME ONCE MORE」な裏声コーラスがナイスですよネ!

ちなみに『1224』のライブ観てこの曲の時にボロボロ泣いちゃいました。だって、終わる時にこんな幸せな始まりの曲は本当に辛いよ!

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『BAD FEELING』

布袋さんの黒い曲。
歌詞は氷室さんとまこっちゃん。

この曲の歌詞を思うとね、もうコレは某春たんに向けて言いますけど、B'Zの『BAD COMUNICATION』を思い出すんですよ(だからどうだと言われるとただ思い出すだけなんですけども)。なんといか、言わんとしてる男の心理は同じなのかなって思ったりするんですね。つまり、持て余してるこの欲望をとりあえず快楽で埋めてちょうだいと。だけどそこに愛は持ち込まないで、そういうルールで、ただボクはキミの中へと入ってボクを放つ、みたいな。

男って、どっか孕まない天使みたいな女がコロっと自分の前に現れて、好きなだけ快楽を楽しみなさい、て言われるのを望むような、そんな願望があったりするのかしら。そして、快楽にすっかり溺れてそのまっただ中に立って、「やっぱり愛がなきゃ」って心を萎えさせるような、そんな自分勝手なトコロがあるような、やってみなきゃ気付かないような、そういう感じがするです。でも実際、そんな都合良い女はタダでは転がってないですよう、と(笑)。

だけど相手が自分の想像通りの反応だけを繰り返すというのは、確実に苛立ちの対象ではありますね。

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『CHU-RU-LU』

この歌の歌詞がまた、あたしのツボ的に痛いトコロを突いてくるわけで。しかも地味に、あたしの中ではこの曲と『唇にジェラシー』て、二曲で男視点と女視点みたいな感じがしております。勝手に。同じ恋の当事者の、同じ場面の男の視点と女の視点。

「さめたレモンティー飲み尽くすだけなの?」
「作った笑いだけじゃ悲しみが消えない」
「タバコが目にしみて あなたが歪む」

「二人好きだった あの映画の台詞も 
 ふざけながら真似なんか もう二度とできない」

「良かった日の面影が傷口に変わってく」

この辺りの歌詞が自分内でかなり好きであります。この言葉の選び方の痛さ(良い意味の)は何事? と。すごい特に「二人好きだった〜」の部分とか、その歌詞を思うだけでけっこう胸痛んだりするくらい。出だしの「冷めたレモンティー〜」の部分とかもすごい好きです。冷めたレモンティー(アイスレモンティーではなく)ってめちゃ不味いですもんね(笑)。

ある意味、言葉の選び方は、男視点の『唇にジェラシー』よりこっちのが痛くて良いと思うです。だから、「あなたが歪む」「タバコ」の煙は、この歌の彼女が彼にくわえさせた濡れたタバコなわけで(自分内妄想)。「もう一度抱いてよ」て思ってるから、彼の背中(?)にも痛いくらいに「爪」を立てる。だけどもやっぱり二人とも別れは肯定していて、受け入れる準備をただ時間を二人でやり過ごすことで整えてるだけ。みたいな、そんなせつない恋の終わりですよ・・・。

ちなみに、あたしはこの曲と『唇にジェラシー』で、よくどっちがどっちの曲だかわからんようになります(笑)。

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『DANCE CRAZE』

布袋さんが歌っている曲。初めて聞いた時は、それを理解するにはあたしはBOΦWYに浅すぎて、どうもこの曲だけは「声が違うなあ」(当たり前!)と思ってました(笑)。まさか、本当に違う人が歌っていたとは!

古いデモバージョンみたいなので、氷室さんが歌ってたのを聞いたりしたのですが、そのテープの氷室さんはなんか声が甲高かったのでそれを思うと、この曲は布袋さんが歌う方がずっと重みが増していいように思えます(声のイメージだけでなく歌い方にしても氷室さんのイメージなじゃない)。このアルバム内の氷室さんの声を想像で当てはめてみても、やっぱり氷室さんの声ではなんかイメージが違う気がする。

こう言うのもなんですが、確実にBOΦWYの中で一番聞いた回数の少ない歌です。

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『ハイウェイに乗る前に』

「コインは入れずに」の部分の歌詞を、「コイン、ワイレツに受話器置いた」だと思いこんでました。ワイレツに受話器・・・。なんだか卑猥ぽいものを想像していたのは言うまでもありません。一体どんな受話器の置き方なんだか・・・。
この曲も、同じメロディで違うバージョンの多い曲ですよねえ。「♪MY HONEY PUSSY LADY〜」の頃のバージョンがけっこう好きです(笑)。でも一番好きなのは、『Case of HIMURO』のソロになってからの最新バージョンです♪ というのは、まあ、置いておいてですね。

基本的に氷室さんの別れの歌って、痛い別れが多いですよね(笑)。このアルバムで言えば『唇にジェラシー』と『CHU-RU-LU』が王道パターン。だから逆にこういう風な「別れ」て珍しい。微妙に「別れ」じゃないからなのかなあ? その辺の物語性が、いつものごとく氷室ワールド内で混沌として掴めないんですけどね。
松井五郎が一緒に書いてるはずなんですが、その辺の物語性というか、その辺はもうめちゃくちゃ伝える気ないままですよね。だけどそうやって松井五郎は氷室さんのそういう歌詞作りパターンを取得していったのかしら(笑)? あと、こういう「一方的にフラれてる」ぽい曲も珍しいですよね? だって大抵BOΦWYの歌詞の男は「男前ソング」が多いですから。「俺なんかピエロにもなれない」なんて言う恋模様がですね、なんか想像つかないけど逆にリアリティあったりして(笑)。
「ちょっとアーパーなオマエ」(アーパーて!)という彼女は、ソロになってからの『TASTE OF MONEY』の「JUDY」ぽい(笑)イメージかな、と。

「だからハイウェイに乗る前に せめて思い出を消し
 だからハイウェイに乗る前に せめて行き先を決め」

という部分がけっこう好き。こういうラストで言葉を微妙に弄るテクニックが単純に好き(笑)。聞いていて気持ちの良い曲だな、と思います。普通に好きな感じ。

そして、カラオケでBOΦWYを歌うとなったら、あたしは「とりあえず」この曲を歌います(笑)。たいていみんな聞いたことがあって(世代によりますけど)、長すぎず短すぎず、適当にノリが良くて明るくて、「いかにもカラオケでBOΦWY」ぽくないから(笑)。
ちなみに「いかにもカラオケでBOΦWY」と言えば、『MARIONETTE』『ONLY YOU』『B・BLUE』の3曲です(笑)。ただ、正直そんなに深い思い入れはないかな(笑)。

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『CLOUDY HEART』

「氷室京介のオールナイトニッポン」にて、氷室さんのお母さんに「24点」だった曲。それを知ってこの曲が、それまでよりも好きになりました(笑)。BOΦWYの曲の中で、氷室さんが一番こだわってそうな曲ですよね。この曲に関してはすっごいMCもよくついてるし、語っちゃってるし。良い場面になるとこの曲ですよね(笑)。そして涙を誘う〜。

別にね、もちろんキライじゃないですよ。歌詞もせつないて思うし、正直、好きな部類の曲です。でも全然、自分の中で一番のラインにまでは上がって来ない曲なのも事実なんですよね。この曲がかなり上位で好きだっていう人はよく聞いたりするんですけど、自分的には「そんなに良い曲かなあ?」と(笑)。もちろん悪い曲だなんて思わないし、むしろ「良い曲」だとは思いますけど、そんなに、例えば氷室さんが思い入れがある程にこっちにも思い入れある歌かなあ、と。まあ、要所要所のココぞと言う時にこの曲が挟まれたりして、歌詞の内容が内容なので「ホロリ」と来ちゃう事は否めませんけど、それは状況が重なったりとか、そういうベースがあるからで、この曲単体としてはまあ、そこそこという感じです。

だからね、あたしはこの曲がすごく祭り上げられてる感じがするのがあんまり好きではなくて、もちろん氷室さんが自分で「この曲は〜」てこだわるのは全然オッケーなんですが、なんか「だから」あたしも「この曲は〜」て盛り上がるのは違う気がして。そういう気持ちがずっとあったから、ラジオ(BOΦWY時代の)聞いて、氷室さんのお母さんが「24点」つけてた、と知った時にはこうね、「やっぱただ者じゃないね(知らない人だけど)」と、そう思ったわけですよ。さすが、ヒムロキョウスケを育てた人だよ。そして、それを大爆笑しながら話す氷室さんがもっと好きだよ(笑)。一番のバカは私ですけどね。

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